30秒でわかる結論
墓じまいで遺骨を別のお墓、納骨堂、永代供養墓などへ移す場合は、原則として改葬許可証が必要です。申請先は、新しい納骨先の自治体ではなく、現在遺骨が納められている墓地・納骨堂の所在地を管轄する市区町村です。
流れは、親族で方針を確認し、改葬先を決め、現在の墓地管理者に相談し、必要書類を集めて自治体へ申請する順番です。書式や添付書類は自治体によって異なるため、最初に「現在のお墓がある自治体の公式ページ」と「墓地管理者」の両方を確認しましょう。
| やること | 主な確認先 | 注意点 |
|---|---|---|
| 親族で墓じまい方針を共有 | 親族、祭祀承継者 | 後のトラブル防止 |
| 改葬先を決める | 新しい墓地・納骨堂 | 受入証明が必要な場合あり |
| 現墓地へ相談 | 寺院、霊園、納骨堂 | 埋蔵・収蔵証明を依頼 |
| 改葬許可申請 | 現墓地の所在地自治体 | 申請先を間違えない |
| 遺骨を移す | 現墓地と改葬先 | 許可証の提示・提出が必要 |
改葬許可証とは
改葬許可証とは、すでに墓地や納骨堂に納められている遺骨を、別の墓地や納骨堂へ移すために市区町村から交付される許可書です。墓じまいは石材店への工事依頼だけで完了するものではなく、遺骨の移動を伴う場合は行政手続きが関わります。
墓地、埋葬等に関する法律では、埋葬、火葬、改葬を行うには市町村長の許可を受ける必要があるとされています。さらに施行規則では、改葬許可申請書に記載する事項や、墓地等の管理者が作成する証明書、墓地使用者等の承諾書などが定められています。
実務では、自治体ごとに「改葬許可申請書」「埋蔵証明書」「収蔵証明書」「受入証明書」などの名称や様式が異なります。まずは現在のお墓がある自治体名と「改葬許可申請」で検索し、公式ページの様式を確認しましょう。
申請先は「今のお墓がある自治体」
よくある間違いが、改葬先の自治体に申請しようとすることです。改葬許可の申請先は、現在遺骨が納められている墓地・納骨堂が所在する市区町村です。
たとえば、現在のお墓が東京都八王子市にあり、改葬先が別の県の納骨堂であれば、改葬許可申請は八王子市側で行います。新しい納骨先には、受入証明書の発行や許可証の提出で関わることが多い、という整理です。
| 場面 | 関わる相手 | 主な役割 |
|---|---|---|
| 現在のお墓 | 寺院、霊園、納骨堂管理者 | 埋蔵・収蔵の事実を証明 |
| 自治体 | 現在のお墓がある市区町村 | 改葬許可証を交付 |
| 新しい納骨先 | 墓地、納骨堂、永代供養先 | 受入証明、納骨時の受け入れ |
| 親族 | 祭祀承継者、関係親族 | 方針確認、費用分担 |

必要書類の目安
必要書類は自治体により異なりますが、一般的には次の書類を求められます。公式様式に証明欄が一体化している自治体もあるため、必ず申請先自治体の案内を確認してください。
| 書類 | どこで用意するか | 内容 |
|---|---|---|
| 改葬許可申請書 | 現墓地所在地の自治体 | 故人情報、現在の墓地、改葬先、理由など |
| 埋蔵・収蔵証明書 | 現在の墓地管理者 | 遺骨が納められている事実の証明 |
| 受入証明書 | 新しい納骨先 | 改葬先が受け入れることの証明 |
| 承諾書・委任状 | 墓地使用者、親族など | 申請者と使用者が異なる場合など |
| 本人確認書類 | 申請者 | 窓口・郵送で必要な場合あり |
複数の遺骨を移す場合、遺骨ごとに申請書が必要になる自治体があります。また、改葬先が複数に分かれる場合は、改葬先ごとに書類が必要になることがあります。古いお墓では、埋蔵者の氏名や死亡年月日が不明確なこともあるため、戸籍や過去帳の確認が必要になる場合もあります。
墓じまいから改葬までの流れ
- 親族で墓じまいの方針を確認する
- 改葬先を決め、受け入れ条件を確認する
- 現在の墓地管理者へ墓じまいの意向を伝える
- 自治体の改葬許可申請書と必要書類を確認する
- 現墓地管理者から埋蔵・収蔵証明をもらう
- 必要に応じて改葬先から受入証明書をもらう
- 現墓地所在地の自治体へ申請し、改葬許可証を受け取る
- 閉眼供養、石材店工事、遺骨取り出しの日程を調整する
- 改葬先へ遺骨を納め、許可証を提出または提示する
順番を誤ると、工事日が決まっているのに許可証が間に合わない、改葬先の受入証明が出ない、親族の同意が得られない、といった問題が起きます。工事契約を急ぐ前に、書類と同意関係を確認しておくことが大切です。
費用と期間の目安
改葬許可申請そのものの手数料は、無料から数百円程度の自治体もあります。ただし、墓じまい全体では、石材店の撤去工事費、閉眼供養のお布施、離檀料の相談、新しい納骨先の費用、郵送申請の費用などが発生します。
期間は、書類がそろえば自治体窓口で比較的短期間に交付されることもありますが、墓地管理者の証明、親族同意、改葬先の契約、石材店の日程調整に時間がかかります。余裕を見て、少なくとも数週間から数か月単位で計画するのが現実的です。
つまずきやすい注意点
- 祭祀承継者や墓地使用者が誰か
- 申請者と墓地使用者が違う場合の承諾書が必要か
- 寺院墓地の場合、離檀や閉眼供養の進め方
- 遺骨が何体あるか、氏名や死亡年月日が分かるか
- 改葬先が受入証明書を発行できるか
- 郵送申請や代理申請に対応しているか
特に寺院墓地では、突然「墓じまいします」と伝えるより、事情を説明して相談するほうが円滑です。費用やお布施も一律ではないため、見積書や確認メモを残しておくと親族間の説明に役立ちます。
NG例
- 親族に相談せず、石材店と撤去日だけ先に決める
- 改葬許可証を取る前に遺骨を移動してしまう
- 申請先を新しい納骨先の自治体だと思い込む
- 墓地使用者と申請者の関係を確認しない
- 受入先が未定のまま工事だけ進める
- 書類の原本を紛失する
墓じまいは急ぐほどミスが起きやすい手続きです。自治体、現墓地、新しい納骨先の三者を順番に確認しましょう。
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