30秒でわかる結論
葬儀後の遺影は、仏式では四十九日法要ごろまで後飾りに飾る家庭が多いです。四十九日後は、仏壇の近く、仏間、床の間、リビングの棚など、家族が自然に手を合わせられる場所へ移すことが一般的です。
一方で、遺影は位牌や遺骨とは違い、全国共通の厳密な処分期限があるものではありません。大きな遺影をずっと飾るのが負担なら、縮小写真に替える、保管する、写真だけ残して額を処分する、寺院や葬儀社に供養を相談するなどの方法があります。家族の気持ちと住まいに合わせて決めてかまいません。
遺影の扱い早見表
| 時期・状況 | 一般的な扱い | 注意点 |
|---|---|---|
| 葬儀直後 | 後飾りに遺骨や花と一緒に置く | 倒れにくい場所を選ぶ |
| 四十九日前 | そのまま後飾りに飾ることが多い | 来客動線や直射日光に注意 |
| 四十九日後 | 仏壇近く、仏間、棚へ移す | 大きすぎる場合は縮小も可 |
| 仏壇がない | 小さな供養スペースを作る | 家族が落ち着ける場所を優先 |
| 飾らない方針 | 保管・供養・処分を選ぶ | 親族間で一度共有する |

葬儀後から四十九日までは後飾りに置くことが多い
葬儀を終えて火葬後に自宅へ戻ると、遺骨、白木位牌、遺影、香炉、花などを置く後飾りを設けることがあります。仏式では、四十九日法要までこの後飾りに遺影を飾る家庭が多いです。
遺影は、参列者が故人を偲ぶために葬儀で使った写真です。葬儀後も、遺族が手を合わせる場所の中心になりやすく、弔問に来た方が故人へ挨拶する目印にもなります。後飾りに置く場合は、直射日光、湿気、エアコンの風、倒れやすい場所を避け、安定した台に置きます。
ただし、四十九日まで毎日眺めなければならないという意味ではありません。悲しみが強く、遺影を見るのがつらい場合は、少し目線から外れた場所に置く、布をかける、家族が落ち着ける部屋に移すなど、無理のない形にしてかまいません。
四十九日後の置き場所は家に合わせてよい
四十九日法要や納骨を終えると、後飾りを片付ける家庭が多くなります。その後の遺影は、仏壇の近く、仏間、床の間、リビングの棚、寝室の一角など、家族が手を合わせやすい場所へ移します。
昔ながらの仏間がない住まいでは、無理に大きな額を壁に掛ける必要はありません。小さな写真立てに入れ替え、花や線香を置かずに写真だけ飾る家庭もあります。仏壇を置かない方針なら、手元供養の棚やメモリアルコーナーとして整える方法もあります。
方角については、東向きや南向きがよいと言われることもありますが、現代の住宅では実用性を優先して問題ありません。日差しで写真が退色しないこと、来客時に家族が気を遣いすぎないこと、子どもやペットが倒さないことを重視しましょう。

大きな遺影をそのまま飾らない選択肢
葬儀用の遺影は、祭壇で見やすいよう大きめの額に入っていることがあります。自宅では大きすぎる、部屋の雰囲気に合わない、毎日見ると気持ちがつらいという場合は、サイズを変えてかまいません。
よくある方法は、写真店や葬儀社に相談して小さな写真へ焼き増しすることです。元画像のデータがある場合は、L判やはがきサイズ、写真立てに合うサイズへ作り直せます。額だけ処分し、写真はアルバムや箱に保管する方法もあります。
大きな遺影を押し入れにしまうこと自体が失礼というわけではありません。大切なのは、雑に扱わないことです。ほこりや湿気を避け、他の遺品や葬儀書類と分かるようにまとめておくと、後で家族が探しやすくなります。
遺影を処分したいときの考え方
遺影を処分する場合、一般の写真として処分する方法もありますが、気持ちの面で抵抗がある方は少なくありません。その場合は、菩提寺、葬儀社、仏壇店、写真供養を受け付ける寺院などに相談するとよいでしょう。
処分前には、家族や主な親族に一度確認しておくと安心です。特に喪主以外の兄弟姉妹、故人と同居していた人、仏壇や墓を引き継ぐ人の意向は確認しておきましょう。写真をデータ化して残す、縮小写真だけ作る、命日までは保管するなど、中間の選択肢もあります。
額を処分する場合は、自治体の分別ルールに従います。ガラス、木製フレーム、金属金具、紙写真で扱いが分かれることがあります。宗教的な供養を希望する写真と、資材として処分する額を分けて考えると整理しやすくなります。
仏壇がない・無宗教葬の場合
仏壇がない家では、遺影を置く場所に迷いやすくなります。無理に仏壇を購入する必要はなく、小さな棚、サイドボード、家族写真の近くなど、静かに手を合わせられる場所を選びます。線香やろうそくを使わない場合でも、花や水、思い出の品を置く形で十分です。
無宗教葬の場合は、宗教的な決まりよりも家族の気持ちが中心になります。葬儀後しばらく飾ってから片付ける、命日や誕生日だけ出す、写真アルバムに納めるなど、生活に合った方法を選びましょう。
キリスト教では、遺影を拝む対象としてではなく、故人を偲ぶ写真として扱うことが多いです。神道では五十日祭など、仏式とは区切りが異なります。宗教者に依頼している場合は、その宗教・教会・神社の考え方を確認してください。
NGになりやすい例
避けたいのは、家族に相談せず急いで処分することです。遺影は法的な手続き書類ではありませんが、故人の記憶に関わる品です。誰かにとっては大切な写真かもしれません。
また、飾ることがつらいのに「飾らないと失礼」と思い込んで無理をする必要もありません。遺影との距離感は、遺族の悲しみの受け止め方によって変わります。片付ける、しまう、小さくするという選択は、供養をやめることではありません。
湿気の多い場所、直射日光の当たる窓辺、転倒しやすい高い棚、火気の近くに置くことも避けましょう。写真や額が傷むだけでなく、安全面の問題にもなります。

