30秒でわかる結論
家族が亡くなった後、介護保険証を持っていた場合は、原則として市区町村の介護保険担当窓口に確認し、必要に応じて返却します。返すものは介護保険被保険者証だけとは限りません。介護保険負担割合証、負担限度額認定証、各種軽減確認証など、自治体から交付された介護保険関係の書類も一緒に確認します。
期限は自治体の案内により異なりますが、死亡届や世帯変更、後期高齢者医療、国民健康保険、葬祭費の手続きで役所へ行くタイミングにまとめて確認すると漏れにくくなります。介護サービスを利用していた方は、証書の返却だけでなく、最後の利用料、福祉用具レンタル、施設費、介護保険料の還付または不足分精算も確認しましょう。
返却と確認事項の早見表
| 確認するもの | 返却・手続きの目安 | 確認先 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 介護保険被保険者証 | 役所手続き時に返却確認 | 市区町村の介護保険担当 | 郵送可否は自治体で異なる |
| 介護保険負担割合証 | 持っていれば一緒に確認 | 市区町村 | サービス利用中は最終確認後が安心 |
| 負担限度額認定証など | 交付されていれば確認 | 市区町村 | 施設利用者は特に確認 |
| 介護保険料 | 後日精算通知が来る場合あり | 市区町村 | 年金天引きの場合は年金手続きも確認 |
| 介護サービス利用料 | 最終請求を確認 | ケアマネジャー、事業所、施設 | 福祉用具返却や施設退去費も別途確認 |
介護保険証は誰が持っていることが多いか
介護保険証は、65歳以上の第1号被保険者や、40歳から64歳までで特定疾病により要介護認定を受けた方などが使う書類です。自宅で保管している場合もあれば、介護サービス事業所、ケアマネジャー、入所施設の書類ファイルにコピーが保管されている場合もあります。
葬儀後に探すときは、健康保険証、後期高齢者医療被保険者証、限度額適用認定証、障害者手帳、年金証書などと一緒に置かれていることが多いです。通帳や印鑑の近くではなく、介護サービスの契約書、ケアプラン、施設の重要事項説明書と同じファイルに入っていることもあります。
実物が見つからない場合でも、返却ができないからといって手続き全体を止める必要はありません。市区町村の介護保険担当に、亡くなった方の氏名、生年月日、住所、死亡日、申請者との関係を伝え、紛失時の扱いを確認しましょう。

返すものは介護保険証だけではない
介護保険関係で返却対象になりやすいのは、介護保険被保険者証、介護保険負担割合証、介護保険負担限度額認定証です。自治体によっては、社会福祉法人等利用者負担軽減確認証、訪問介護利用者負担額減額認定証など、追加の証書がある場合もあります。
負担割合証は、介護サービスを利用するときの自己負担割合を示す書類です。負担限度額認定証は、施設サービスやショートステイなどで食費・居住費の負担軽減を受ける際に使われます。施設入所中だった方、ショートステイを使っていた方、特養や老健に入っていた方は、これらの証書を持っていた可能性があります。
返却前に、担当ケアマネジャーや施設へ「最終請求で証書番号や内容の確認が必要か」を聞いておくと安心です。自治体によっては返却後に証書を返してもらえない場合があります。サービス利用中だった方は、先に事業所側の確認を済ませてから返す流れが安全です。
どこへ返却するか
介護保険は市区町村が保険者として運営しています。返却先は、亡くなった方が住民登録していた市区町村の介護保険課、高齢福祉課、介護医療係などです。窓口名は自治体により異なります。
一部の自治体は郵送返却を認めています。吹田市のように介護保険被保険者証や負担割合証などの返却を案内し、郵送可としている例もあります。一方、死亡届や他の手続きと同時に窓口で確認する方が早い自治体もあります。郵送する場合は、宛先、必要な添付書類、差出人の連絡先、返却書類の控えを残すかを確認しましょう。
亡くなった方が施設に入所していた場合、住民票の住所と施設所在地が異なることがあります。原則として介護保険の保険者は住民票のある自治体ですが、住所地特例などが関係する場合もあります。施設やケアマネジャーに、どの自治体が保険者か確認すると迷いにくくなります。
介護保険料の還付・不足分精算
死亡により介護保険の資格は喪失します。東大阪市は、死亡日の翌日が第1号被保険者の資格喪失日になると案内しています。介護保険料は月割りで再計算され、納め過ぎがあれば還付、不足があれば納付の案内が届く場合があります。
介護保険料を年金から天引きで納めていた方は、年金停止手続きとも関係します。年金の死亡届や未支給年金の確認が遅れると、介護保険料の精算通知の時期もわかりにくくなることがあります。年金と介護保険は窓口が別ですが、葬儀後の手続き表では隣に並べて管理するとよいでしょう。
還付金がある場合、相続人代表者や受取口座の届出が必要になることがあります。書類は亡くなった方宛てに送られる場合もあるため、郵便物の転送、送付先変更、施設に届く郵便の確認も忘れないようにします。
サービス利用中だった場合の確認
亡くなる直前まで訪問介護、デイサービス、ショートステイ、福祉用具レンタル、施設入所を利用していた場合は、介護保険証の返却だけで終わりません。最後の利用料、キャンセル料、食費、居住費、福祉用具の返却日、施設の退去精算を確認します。
担当ケアマネジャーがいる場合は、まずケアマネジャーに連絡し、利用していた事業所の一覧と最終利用日を確認します。施設入所中の場合は、施設の相談員や事務担当に、退去精算、私物引き取り、預り金、医療費、介護保険請求の締め日を確認します。
高額介護サービス費や高額医療・高額介護合算制度に関係する払い戻しが発生する場合もあります。自治体から後日通知が届くことが多いですが、住所変更や送付先指定をしていないと見落とすことがあります。
NG例と注意点
避けたいのは、介護保険証を単なる期限切れカードと思って処分してしまうことです。自治体によって扱いは異なりますが、返却や資格喪失、保険料精算の確認に使うことがあります。少なくとも役所に確認するまでは、健康保険証や年金関係書類と一緒に保管しておきましょう。
また、介護保険証だけを返して、負担割合証や負担限度額認定証を手元に残したままにするのもよくある漏れです。証書が複数ある場合は、封筒にまとめて「介護保険関係」と書き、窓口でまとめて確認するとスムーズです。
サービス事業所への連絡を後回しにするのも注意が必要です。福祉用具レンタル品が自宅に残っている、施設に私物や預り金がある、デイサービスの最終請求が未確定など、返却以外の実務が残っていることがあります。
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