【喪主の挨拶】通夜・告別式・精進落としで困らない!例文・構成・注意点まで徹底解説
葬儀において、喪主は故人に代わって参列者へ感謝の気持ちを伝える大切な役割を担います。しかし、初めて喪主を務める方にとっては、どのような挨拶をすれば良いのか、どのタイミングで話せば良いのか、不安を感じることも多いでしょう。
この記事では、喪主挨拶の目的から、通夜、告別式、精進落としといった各場面での挨拶のポイント、具体的な構成、そして失礼なく感謝の気持ちを伝えるための注意点までを網羅的に解説します。例文も交えながら、読者の皆様が安心して喪主としての責務を果たせるよう、丁寧にサポートいたします。

喪主挨拶の目的とは?形式だけではない、大切な意味
喪主挨拶は、単なる形式的な儀礼ではありません。その目的は、大きく分けて二つあります。
一つは、参列者への感謝の気持ちを伝えることです。忙しい中、遠方から、あるいはご自身の都合をつけて葬儀に参列してくださった方々へ、故人の冥福を祈るために集まってくださったことへの感謝を伝えます。
もう一つは、故人を偲び、故人に代わって感謝を伝えることです。故人が生前お世話になった方々へ、そして故人を慕ってくださった方々へ、感謝の思いを届けます。また、故人の人柄や思い出に触れることで、故人を偲ぶひとときを参列者と共に共有する役割もあります。
挨拶は、完璧なスピーチを目指す必要はありません。最も大切なのは、故人への深い愛情と、参列者への心からの感謝の気持ちを、誠実に伝えることです。その気持ちが伝われば、言葉遣いや構成に多少の不備があったとしても、参列者は温かく受け止めてくれるでしょう。
喪主挨拶が必要となる場面とタイミング
喪主挨拶は、主に以下の場面で必要とされます。それぞれの場面で、挨拶の内容や長さ、トーンが変わってきます。
1. 通夜の挨拶
通夜は、葬儀・告別式の前夜に行われる儀式です。参列者は、近親者や親しい友人が中心となることが多いですが、仕事関係者などが弔問に訪れることもあります。
- タイミング: 読経が終わり、僧侶がお経をあげ終えた後、出棺の前に喪主が挨拶をします。
- 挨拶のポイント:
- 参列者への感謝(特に、ご多忙の中、遠方からお越しいただいた方への感謝)
- 故人の遺志を尊重し、通夜を済ませたこと
- 翌日の葬儀・告別式への案内(時間や場所など)
- 簡単なお礼の言葉で締めくくる
- 長さ: 1~2分程度と、比較的短く簡潔にまとめます。
通夜の喪主挨拶 例文
「本日はご多忙の中、また遠方より、〇〇(故人の名前)の通夜にお越しいただき、誠にありがとうございます。
皆様におかれましても、さぞご心配のことと存じますが、〇〇も安らかに旅立ち、私どもも、皆様にお見守りいただき、通夜を滞りなく終えることができそうです。
つきましては、明日、〇時より告別式を執り行いますので、こちらもご参列いただければ幸いです。
本日は誠にありがとうございました。」
2. 葬儀・告別式の挨拶
葬儀・告別式は、故人との最後のお別れをする最も重要な儀式です。親族、友人、知人、仕事関係者など、幅広い層の参列者が集まります。
- タイミング: 読経・焼香がすべて終了した後、出棺の前に喪主が挨拶をします。
- 挨拶のポイント:
- 参列者への感謝(通夜に引き続き、改めて感謝を伝える)
- 故人の略歴や人柄に触れる(簡潔に)
- 故人との思い出や、故人が遺した教訓などに触れる(任意、簡潔に)
- 故人の冥福を祈る言葉
- 今後のこと(火葬、納骨など、必要であれば簡潔に)
- 参列者への感謝の言葉で締めくくる
- 長さ: 3分程度が目安です。故人との関係性や、参列者の顔ぶれなどを考慮して調整します。
葬儀・告別式の喪主挨拶 例文
「皆様、本日はご多忙の中、〇〇(故人の名前)の葬儀・告別式にご会葬いただき、誠にありがとうございます。
ただ今、〇〇(戒名など)の法要が滞りなく済まされましたことを、ご報告申し上げます。
〇〇(故人の名前)は、〇〇年〇月〇日に、〇〇歳で永眠いたしました。
生前は、皆様に大変お世話になり、〇〇(故人の名前)も、いつも皆様との交流を大切にしておりました。
(故人の人柄や、印象的なエピソードを簡潔に添える。例:「〇〇(故人の名前)は、いつも明るく、周りの人を笑顔にするような人でした。特に、〇〇(趣味や特技など)には情熱を注ぎ、その生き生きとした姿は、私たち家族の誇りでした。」)
皆様には、〇〇(故人の名前)が生前お世話になったこと、そして、この度の葬儀に際しましても、ご厚情を賜りましたこと、心より感謝申し上げます。
今後、〇〇(故人の名前)の遺志を継ぎ、私ども家族一同、力を合わせて精一杯努めてまいりますので、皆様におかれましても、変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
最後になりますが、皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げ、お礼の言葉とさせていただきます。
本日は誠にありがとうございました。」
3. 精進落とし(お斎)の挨拶
精進落とし(お斎)は、葬儀・告別式がすべて終了した後、参列者をもてなす食事の席です。本来は、故人が亡くなってから四十九日までの間、遺族が精進料理を食べていた期間を終え、通常の食事に戻ることを意味しますが、現在では葬儀当日に設けられることが一般的です。
- タイミング: 食事が始まる前に、喪主が挨拶をします。
- 挨拶のポイント:
- 参列者への感謝(葬儀・告別式に引き続き、改めて感謝を伝える)
- 故人が生前お世話になったことへの感謝
- 故人を偲び、思い出を語り合う時間であることを伝える
- 食事の提供についてのお礼
- 参列者の健康や幸せを願う言葉
- 長さ: 1~2分程度と、比較的リラックスした雰囲気で、温かい言葉を添えます。
精進落とし(お斎)の喪主挨拶 例文
「皆様、本日はご多忙の中、〇〇(故人の名前)の葬儀・告別式にご会葬いただき、誠にありがとうございました。
そして、この後、皆様とご一緒にお食事をさせていただけることを、大変ありがたく思っております。
〇〇(故人の名前)も、皆様に囲まれて、きっと喜んでいることと存じます。
皆様には、〇〇(故人の名前)が生前大変お世話になりましたこと、重ねて御礼申し上げます。
本日は、どうぞごゆっくりおくつろぎいただき、〇〇(故人の名前)との思い出など、語り合っていただければ幸いです。
皆様の今後のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げ、お礼の言葉とさせていただきます。
本日は誠にありがとうございました。どうぞ、ごゆっくりお召し上がりください。」
喪主挨拶の基本的な構成要素
場面によって多少の違いはありますが、喪主挨拶には共通する基本的な構成要素があります。これらを意識することで、より分かりやすく、心のこもった挨拶になります。
① 参列へのお礼
まず最初に、参列してくださった方々への感謝の気持ちを伝えます。
「本日はご多忙の中、〇〇(故人の名前)の通夜(葬儀・告別式・精進落とし)にお越しいただき、誠にありがとうございます。」
特に、遠方からお越しいただいた方や、ご自身の都合をつけて来てくださった方へは、具体的な感謝の言葉を添えるとより伝わります。
② 故人への感謝・故人の紹介
故人が生前お世話になったことへの感謝の気持ちを伝えます。また、故人の人柄や、簡単な略歴、故人が大切にしていたことなどに触れることで、参列者も故人をより身近に感じることができます。
「〇〇(故人の名前)は、生前、皆様に大変お世話になり、いつも皆様との交流を大切にしておりました。」
「〇〇(故人の名前)は、〇〇年〇月〇日に、〇〇歳で永眠いたしました。」
「〇〇(故人の名前)は、いつも明るく、周りの人を笑顔にするような人でした。」
故人のエピソードを盛り込む場合は、長くなりすぎないように、簡潔にまとめることが大切です。
③ 故人の遺志・今後のこと(必要であれば)
故人の遺志をどのように引き継いでいくか、といった決意表明や、今後の葬儀の進行、火葬・納骨の案内などを簡潔に伝えます。
「今後、私ども家族一同、〇〇(故人の名前)の遺志を継ぎ、力を合わせて精一杯努めてまいりますので、皆様におかれましても、変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。」
「この後、火葬場へ移動いたします。」
「皆様には、この後、〇〇(場所)にて、お別れの会(精進落とし)をご用意しておりますので、よろしければお越しください。」
④ 締めの言葉
最後に、改めて参列者への感謝の言葉や、故人の冥福を祈る言葉、参列者の健康や幸せを願う言葉で締めくくります。
「最後になりますが、皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げ、お礼の言葉とさせていただきます。本日は誠にありがとうございました。」
「〇〇(故人の名前)の冥福を心よりお祈り申し上げ、お礼の言葉とさせていただきます。」
挨拶で避けるべき「忌み言葉」と「重ね言葉」
葬儀の挨拶では、不吉なことを連想させる「忌み言葉」や、不幸が繰り返されることを連想させる「重ね言葉」の使用は避けるのがマナーです。
忌み言葉の例
- 死・苦: 死亡、急死、死去、死ぬ、苦しむ、不幸、不運、病死、亡くなる
- 迷信: 迷う、迷わせる、迷信
- 滅: 滅びる、滅亡
- その他: 追って、わざわざ、重ねて、ご愁傷様です(弔問客への返答としては適切ですが、喪主挨拶で使うのは避ける場合があります。ただし、最近では気にしない方も増えています。)
重ね言葉の例
- 重ね重ね、度々、しばしば、またまた、くれぐれも、返す返すも、いよいよ、次々、追って追って
これらの言葉を避ける代わりに、以下のような言葉に言い換えると良いでしょう。
- 「死ぬ」→「永眠する」「旅立つ」「亡くなる」「帰らぬ人となる」
- 「不幸」→「ご迷惑をおかけいたします」「お悲しみの中」
- 「重ねて」→「改めて」「再度」
普段何気なく使っている言葉でも、葬儀の場では避けるべき言葉となることがあります。挨拶の原稿を作成する際には、これらの言葉が含まれていないか、十分に確認することが大切です。
挨拶が苦手な方・初めて喪主を務める方へのアドバイス
「人前で話すのが苦手」「何を話せばいいか分からない」といった不安を抱える方は多いはずです。しかし、喪主挨拶は、故人への感謝と参列者へのお礼を伝えるための大切な機会です。自信がない場合でも、いくつかポイントを押さえることで、きっと務めを果たすことができます。
1. 事前の準備が大切
- 原稿を作成する: メモを見ながら話すことは全く問題ありません。事前に挨拶の原稿を作成し、声に出して練習しておきましょう。葬儀社に相談すれば、テンプレートを提供してもらえたり、内容についてアドバイスをもらえたりすることもあります。
- 話す内容を整理する: 故人の略歴、人柄、感謝の言葉など、話したい内容を箇条書きで整理しておくと、スムーズに原稿を作成できます。
- カンペ(メモ)を用意する: 原稿を印刷したり、手書きのメモにまとめたりして、すぐに確認できるようにしておきましょう。スマートフォンのメモ機能を使うのは、操作に戸惑ったり、画面が明るすぎたりすることがあるため、紙媒体のメモがおすすめです。
2. 挨拶は簡潔に、3分程度を目安に
長すぎる挨拶は、参列者を疲れさせてしまう可能性があります。伝えたいことを絞り、簡潔にまとめることを心がけましょう。目安は3分程度です。故人との思い出を語りたい場合でも、エピソードは一つか二つに絞り、簡潔に話します。
3. 声のトーンと話し方
落ち着いたトーンで、ゆっくりと話すことを意識しましょう。早口になったり、声が震えたりするのは自然なことですが、意識的にゆっくり話すことで、落ち着きを取り戻すことができます。深呼吸をしてから話し始めると良いでしょう。
4. 家族葬の場合の挨拶
家族葬の場合、参列者がごく限られた親族や親しい友人のみとなるため、挨拶を省略するケースもあります。しかし、参列してくださった方々への感謝の気持ちを伝えるという意味では、挨拶は有効です。
- 挨拶が必要かどうかの判断: 参列者の規模や関係性によります。ごく近しい家族のみで、形式ばった挨拶が不要な場合は省略しても構いません。しかし、親族や故人の友人など、ある程度の人数の方が参列される場合は、感謝の気持ちを伝えるために挨拶をすることが望ましいです。
- 挨拶の内容: 家族葬の場合でも、基本的な構成は変わりませんが、よりアットホームな雰囲気で、故人との思い出を語り合うような温かい挨拶でも良いでしょう。
喪主挨拶を成功させるための最終チェックポイント
- 原稿は用意したか?: メモを見ながらでも大丈夫です。
- 忌み言葉・重ね言葉は避けたか?: 確認しましょう。
- 挨拶の長さは適切か?: 3分程度を目安に。
- 感謝の気持ちは伝わるか?: 最も大切なことです。
- 落ち着いて、ゆっくり話せそうか?: 深呼吸を忘れずに。
喪主挨拶は、故人への最後のメッセージであり、参列者への感謝を伝える貴重な機会です。完璧を目指す必要はありません。故人への想いと、参列者への感謝の気持ちを、心を込めて伝えましょう。その誠実な気持ちは、きっと参列者に伝わり、温かいお別れの場を創り出すことでしょう。
この記事が、喪主を務められる皆様の心の支えとなれば幸いです。
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