30秒でわかる結論
故人のパスポートは、名義人が亡くなった場合、パスポート窓口で失効手続きをするのが基本です。外務省は、亡くなった方のパスポートと、戸籍謄本など死亡した事実が分かる書類を、国内では最寄りの都道府県の申請窓口、国外では在外公館へ届け出るよう案内しています。
ただし、葬儀前に最優先で行う手続きではありません。死亡届、火葬許可、葬儀日程、親族連絡などを先に進め、落ち着いてから都道府県のパスポート窓口に確認するとよいでしょう。期限や必要書類の細部は窓口で異なるため、行く前に公式ページか電話で確認してください。
| 確認項目 | 目安 |
|---|---|
| 返納は必要か | 有効なパスポートは失効手続きの届け出をする |
| 手続き先 | 国内は都道府県のパスポート申請窓口、国外は在外公館 |
| 主な持ち物 | 故人のパスポート、死亡事実が分かる戸籍謄本等、来庁者の本人確認書類 |
| 期限 | 明確な一律期限は案内されないことが多い。葬儀後に早めに確認 |
| 手元に残せるか | 失効処理後に還付できる窓口もあるため事前確認 |

パスポートは死亡するとどう扱われるか
パスポートは本人の国籍や身分事項を示す公的な書類です。名義人が亡くなった後も、家族が保管しているだけでは、窓口側で返納・失効の処理が済んだことにはなりません。外務省のQ&Aでは、名義人が死亡した場合、パスポートと死亡した事実が分かる書類を届け出て、当該パスポートの失効手続きを行うと説明されています。
ここで大切なのは、返納という言葉だけを見て「必ず没収される」と思い込まないことです。自治体によっては、失効処理をした後、希望すればパスポートを還付する運用を案内しているところがあります。思い出として手元に残したい場合は、窓口へ行く前に「失効処理後の還付は可能か」を確認しておくと安心です。
どこで手続きするか
国内で手続きする場合は、都道府県のパスポート申請窓口が基本です。市区町村が旅券事務を扱っている地域もありますが、すべての市区町村で同じ対応とは限りません。外務省の都道府県リンクや、住んでいる自治体の公式ページから、受付窓口、受付時間、予約の要否を確認しましょう。
海外で亡くなった、または故人が海外在住だった場合は、最寄りの日本大使館・総領事館など在外公館が確認先になります。遺体搬送、現地の死亡証明、航空会社、保険会社の手続きが絡むこともあるため、パスポート返納だけを切り出さず、在外公館の案内に従って進めます。
必要書類の考え方
外務省は、パスポートと、戸籍謄本など名義人が死亡した事実が分かる書類を届け出るよう案内しています。自治体ページでは、旅券返納申出書、来庁者の本人確認書類、死亡確認書類を求める例もあります。
一般的に確認されやすいものは次の通りです。
| 書類 | 役割 |
|---|---|
| 故人のパスポート | 失効処理の対象になる本体 |
| 戸籍謄本・除籍謄本等 | 名義人が死亡した事実を確認する |
| 埋火葬許可証の写し等 | 窓口によって死亡確認書類として扱う場合がある |
| 旅券返納申出書 | 窓口で記入または配布されることが多い |
| 来庁者の本人確認書類 | 手続きする家族等の本人確認に使う |
必要書類は地域差があります。戸籍の反映に時間がかかる場合もあるため、葬儀直後に窓口へ行くなら、どの書類で受け付けられるかを電話で確認してから動く方が確実です。
いつまでに返納すればよいか
パスポート返納は、死亡届や火葬許可のように葬儀日程を左右する手続きではありません。公式案内でも、死亡後何日以内といった一律の期限を強く示していないことが多いです。
実務上は、葬儀後の公的書類の整理、保険金請求、銀行・年金・携帯電話などの手続きと合わせて進めると漏れにくくなります。故人が近いうちに海外旅行を予定していた、海外在住だった、パスポートを本人確認書類として保管していた、といった事情がある場合は、早めに窓口へ相談しましょう。
期限が見えにくい手続きほど、家族内で「誰が保管しているか」が分からなくなりがちです。パスポートを見つけたら、すぐ返納に行けない場合でも、ほかの公的書類と一緒に保管場所を決め、手続きメモに残しておくことをおすすめします。
有効期限切れのパスポートはどうするか
有効期限が切れているパスポートは、すでに旅券として使えない状態です。ただし、古いパスポートにも氏名、生年月日、顔写真などの個人情報が含まれます。思い出として残す場合も、第三者が見られる場所に置いたり、不要になった時にそのまま捨てたりするのは避けましょう。
有効期限切れでも窓口で処理できるか、記念として穴あけ済みにできるかは、自治体窓口の運用を確認してください。古いパスポートが複数冊ある場合は、有効なものと期限切れのものを分けて持参し、どこまで処理対象になるか聞くとよいでしょう。
返納前に確認したいケース別判断
海外旅行や航空券の予約が残っている
故人名義の航空券、ツアー、ホテル、海外旅行保険が残っている場合は、パスポート返納とは別にキャンセル手続きが必要です。旅行会社、航空会社、保険会社へ連絡し、死亡診断書や戸籍書類の写しが必要か確認します。パスポート番号が予約確認に必要になることもあるため、返納前に番号や有効期限を控えるか、コピーの扱いを窓口に確認しましょう。
海外在住だった
海外在住者の場合、在留届、現地の死亡証明、遺族の帰国手続き、遺骨・遺体搬送などが絡みます。日本国内の自治体窓口だけで判断せず、在外公館へ連絡して案内を受けるのが安全です。
パスポートが見つからない
故人のパスポートが見つからない場合は、家族だけで紛失扱いを断定せず、まず保管場所を確認します。旅行用バッグ、金庫、重要書類ファイル、銀行貸金庫、職場の引き出しなどに残っていることがあります。それでも見つからない場合は、都道府県のパスポート窓口に、死亡後に見つからない時の手続きが必要か相談してください。

NGになりやすい対応
もっとも避けたいのは、死亡後の公的書類をまとめて処分してしまうことです。パスポート、運転免許証、マイナンバーカード、健康保険証、年金関係書類は、それぞれ手続き先が違います。不要そうに見えても、相続や保険、解約手続きで本人確認情報として参照することがあります。
また、手元に残したいからといって、有効なパスポートを未処理のまま長期間放置するのも好ましくありません。家族の思い出として残すことと、公的な失効手続きを済ませることは両立できます。還付の可否を確認し、処理済みの状態で保管しましょう。
公式情報と確認先
パスポート返納は、窓口ごとの受付時間、必要書類、申請書の様式が変わることがあります。最新情報は、外務省と都道府県のパスポート窓口で確認してください。海外での手続きは在外公館が確認先です。
